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医療情報トピックス


BSE問題

2006年08月12日

アメリカの政治的圧力に負けてアメリカ産牛肉の輸入が再開されました。20月齢以下の牛で特定危険部位を除去すれば問題ないとのことですが、本当に大丈夫なのでしょうか?

BSE、すなわち牛海綿脳症は牛の感染性の病気です。感染するといっても、ウイルスや細菌で感染するのではありません。プリオンという細胞内タンパクに異常がおこり、この異常プリオンが正常な牛の体内に入ると、正常な牛のプリオンがどんどん異常なものに変わっていくという感染様式をとります。感染、発症した牛はフラフラになり、凶暴性が増すので、狂ったように見えることから狂牛病とも呼ばれています。

牛は本来草食性ですが、畜産業界では飼育効率を上げるために、食肉処理された牛の骨や余った肉を細かく刻んで再び牛に与えるということを行ってきました。草食性の牛に、しかも同種の肉骨粉を与えて飼育するとは聞くだけで食欲のなくなるような恐ろしい話です。自然の摂理に反した飼育を行った結果、異常プリオンが濃縮されBSEが出現した可能性が高いとされています。

ヒトにもBSEに似たクロイツフェルト・ヤコブ病という病気があります。イギリス国内でクロイツフェルト・ヤコブ病に似てはいるものの、臨床像のやや異なる病気が複数発生しました。多岐に渡っての原因追求が行われた結果、患者はいずれも牛肉を食べていたことから、BSEがヒトに感染した可能性が高いとされました。

プリオンは熱に強く、加熱調理したくらいでは感染性を失いません。病気から身を守るには調理法うんぬんではなく、BSE感染牛の肉を口にしないようにするしか方法がありません。いったん発症してしまうと進行性かつ致死的な非常に恐ろしい病気で、有効な治療法が無いのが現状です。

日本ではBSE感染牛の牛肉が市場に出回らないようにするために、全頭検査が行われています。ウェスタンブロット法という大変手間と時間のかかる精度の高い検査法で異常プリオンが無いか調べています。検査の精度を疑問視する人もいますが、少なくとも経験に頼ったアメリカの検査方式よりは信頼できると思われます。

更にアメリカは20月齢の牛が大丈夫となると、次は24月齢、そして更に高齢の牛肉の日本への輸出を計画しています。「不安があるなら食べなければいい。」というような意見もあります。しかし今の日本ではそうしたくても出来ない現状があります。

つい最近、食品の原材料表示について問題になったことがありました。遺伝子組み換え材料を含まない、との表示は含有率が低ければ遺伝子組み換え材料を含んでいてもかまわないとされているのです。同じことを牛肉に当てはめると、ミンチを食べた場合、アメリカ産牛肉を食べていないつもりでも知らないうちに口に入っている可能性があるということです。

もしかすると、本当はアメリカの方式でも牛肉は安全なのかもしれません。ただ、「アメリカが大丈夫といっているから。」というようなことを根拠に輸入を再開するのはどうかと思います。自国民の食の安全を守るのは国の当然の義務です。今回の騒動は食料を自給できなくなってしまった日本の弱さが浮き彫りになった出来事といえるでしょう。


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