はしもと診療所
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花粉症治療(特にステロイド剤の使用について)

2008年02月08日

毎日寒い日が続いていますが、そろそろ毎年恒例の花粉症シーズン到来です。

今年は例年よりもスギ花粉の飛び始める時期が早く、過敏な患者さんは既に目、鼻などに違和感を訴え来院されています。テレビ番組などで花粉症対策について取り上げられる機会が多くなり、日常生活で気をつけることはほとんどの患者さんが自覚、実践されるようになったので、今回は薬物療法に限って記したいと思います。

花粉症の薬物療法で最も基本となるのは、抗ヒスタミン剤と呼ばれるアレルギー治療薬です。

一昔前は抗ヒスタミン剤といえば眠くなる、というのが常識でした。しかし最近になって、アレルギー症状を抑える効果はそのままに、しかし脳への薬剤移行は少なく眠気が少ない薬剤が開発され、広く用いられるようになりました。抗ヒスタミン剤は投与開始から十分な効果を発揮するまでにある程度の時間を要します。花粉症シーズンの1週間前くらいからの服用が推奨されており、毎年花粉症で辛い目にあうが今年はまだ発症していない、という方にはそろそろ服用開始されることをお勧めします。

ところで、花粉症治療に関して診療中にたびたび聞かれる質問があります。「1回注射を打てばワンシーズン大丈夫な注射があるって聞いたんですけど。」、「花粉症の予防注射やってますか?」というような質問です。

確かに一部の医療機関でそのような注射治療を行っているということはよく耳にします。本当にそんな素晴らしい治療があるのかというと、実はあります。使用しているのはステロイド剤です。ステロイド剤には色々なタイプがありますが、それらの中に1回注射すると一定期間からだの中に留まって持続的かつ強力に効果を発揮するタイプのものがあります。主に整形外科領域で用いられる薬剤ですが、それを花粉症治療に転用しているのです。ただし、花粉症に対しては保険適応外なので自費診療ということになります。

この治療法は医療関係者であれば誰でも知っていることですが、ほとんどの医者は手を出しません。なぜでしょうか?

答えは明白で、相当の副作用が出る可能性があるからです。注射部位の脂肪、筋肉組織の萎縮、糖尿病発症・増悪、肥満、骨がもろくなる、消化管潰瘍など、様々な副作用が出る可能性があります。そして体内に留まるタイプのステロイド注射は一旦注射してしまうと持続的に作用するため、効果が十分得られたから、または副作用が出たからといって中止したくても中止はできません。

もし、花粉症が重症化して通常の抗ヒスタミン剤では症状を抑えられず、どうしてもステロイドが必要になった場合には内服タイプのステロイド剤がありますので、それらを必要最少量、短期間服用するといった使用にとどめるべきです。

ステロイド剤といえば注射、内服の他に、点鼻剤、点眼剤もあります。

最近の点鼻ステロイド剤は局所では強い抗炎症作用を示しますが、全身への作用は非常に少ないため、使用時の用法用量を間違わない限り安心して使用できます。

点眼にもステロイド剤があります。こちらは点鼻剤と異なり、慎重な使用が求められます。過量に使用、または長期連用すると眼圧が亢進したり、角膜に感染症を引き起こす可能性が高くなります。やむを得ず長期連用する場合には眼科医の経過観察の元で使用すべき薬剤です。

花粉症治療に限らず、いかなる疾患の治療においても作用と副作用を常に考えながら、最適な治療法を医者と相談して選択するようにしましょう。たぶん自分には心配されるような副作用は出ないだろうという安易な考えで、花粉症におけるステロイド注射のような過剰医療には手を出されませんように!


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